自己満足の肯定

michira2008-03-25

 ひょんな事から始めたチャイルド・スポンサーシップ。
大義名分はもちろん子供の、私の場合はD.D君とその居住地域の貧困からの救済だ。
 とは云ったものの、実際のところは自己満足を得る事にこそ、私にとっての意味がある。

さらに、幸福度に関する調査で、16人のサラリーマンを比較したところ、より多くの「社会に向けた」お金を費やしている人のほうが、ボーナスを受け取る前と後で、幸福度がアップしていたそうです。*1

 はたして私自身が勝ち組であるかどうかは置いといて、つまるところ、私自身の幸福度アップが自己満足によってもたらされると云う事は、統計的に見ても普通だということ。こんな事は今更声に出して言わなくても大人なら誰でも解っている事だが、まだまだコレを『偽善』として口に出すのを憚られる風潮は根強い。
 しかし、偽善で結構。
 タイトルにある通り『しない善よりする偽善』である。動機の白黒よりも、援助の大小こそが肝要である。この認識がもっと浸透して欲しいものだと常々思っている。

 そして、これらの自己満足は、実際にその大義名分に沿った形で私の些少な援助が活かされてこそ完遂する。したがって日本ユニセフの寄付金問題や、製紙業界の古紙含有率偽装問題など、我々『偽善者』の信義に反する詐欺行為にひっかからない為にも、関心をもってリテラシーを高めていきたい。

妻の理解

michira2008-03-20

 スポンサーキットの大きな封筒に、妻が気づいた。別に隠し立てするつもりは無かったが、事の一切は妻に話していなかった。
 我が家は『共働き子無し』いわゆるDINKSで、夫婦と云えども財布は別々である。したがって私の収入をどう使おうと文句を言われる事は無い。
 妻の問いに一言「募金した」と答えた。すかさず「なんで?いくらしたの?」と問い返された。私自身、逆の立場なら同じようなリアクションをとっただろう。私も妻も、悪人では無いが善人でもない、基本的に自分の半径5メートル以内にしか感心の無い人間だからだ。
 「気が向いたから。4,500円。」とだけ答える自分。
 正直、動機やスポンサーシップの意義を唱えるのはこっぱずかしい。というよりも、そんな人間に対しては胡散臭い目で見るか、変な宗教がらみの洗脳に嵌ったのではと危惧するのが、少なくとも妻を含め私の周囲の人間の、当然予想される反応である。
 当初から人に強要するつもりも無いし、これ見よがしに語るつもりも無かったが、変に隠して後ろめたい思いをするよりも妻には報告しておいた方が良いと思った。たとえ家計上の問題は無くても、だ。
 「禁煙するための動機補強のため、月々の煙草代をスポンサーシップに充てる事にした。」という言い訳も用意しておいたが、妻の詰問はそれ以上には及ばず、おかげで私の愛煙生活も安泰の運びとなったのは幸か不幸か。

 翌日、炬燵に入りながら各々の時間を過ごしている際に、私は資料を広げて眺めていた。適当な頃合を見計らって、一言「この子が俺が担当する事になった子」といってD.D君のチャイルド紹介カードを妻に見せた。
 前述のとおり、合計20文字弱の説明しかしていないので、妻はここで初めてチャイルド・スポンサーシップの1対1支援システムを理解したようだ。
 「かわいい子だね。バングラデシュってどこだっけ?」と妻は興味を示した模様。資料にざっと目を通すと、あとは自身でWEB検索して私と同程度の理解を得たようだ。ここでいう理解は、comprehension と understandingの両方である。

 我ながら良い妻を持ったものだと、10年前のめぐり合わせに感謝した。

スポンサーキット到着

michira2008-03-19

 朝、出勤前にポストを覗くとオレンジ色の角2封筒が入っていた。どうやら昨日配達されたらしいが、誰もポストを調べなかったらしい。
 帰宅後、多少の不安と期待を持ちながら開封する。A4サイズの各種資料には目も向けず、先ずは葉書大サイズの『チャイルド紹介カード』を開く。私が支援するチャイルドの情報が記されているからだ。
 名前はD.D君(イニシャル) バングラデシュの4歳の男の子だ。
 目の大きい、将来ハンサムになりそうな顔立ちだが、どことなく悲哀に満ちた目をしているのは先入観からか。
 とにかく、書面の上であるが縁があって彼と出会う事ができた。万人を幸せにする事は出来ないが、彼には幸せになって欲しいと思った。 

契機

michira2008-03-16

 初めて乗ったスーパーシートの感触に、小市民的な優越感を満たされつつ帰宅した夜のこと。購読している某有名ブログにて紹介されていたのが契機だ。
 ボランティア的な事には一切興味がないどころか、懐疑的ですらある自分には些か信じがたい行動であった。しかし気がかりだった嫁の実家訪問を滞りなく終え、たまにしか飲まないアルコールの勢いも手伝ってか、なんとなくエントリーしてみた。

 チャイルド・スポンサーシップ

 一言で云えば『恵まれない子供に愛の手を』的な活動である。
 子供1人あたり月々\4,500の支援。一般的なサラリーマンである自分に払えない金額ではないが、軽んじられない金額だ。携帯電話をもう一台増やすこともできるし、生命保険の増額に回したって良い。
 という訳で、酔っていたとはいえ最低限のグーグル調査は行った結果、有名どころらしいしきちんと活動をしているとの認識でクレジットカードの番号を入力した。
 私のメインはJCBなのだが、VISA/MASTERと何故かセゾンカードしか使えないので仕方なくサブのVISAカードを登録。ささやかな自己陶酔に陥りながら、床に就いた。